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就労定着支援とは
障害者雇用の現状について
障害者の雇用状況は、年々改善されています。1976年に身体障害者向けの雇用率制度が義務化されて以来、企業で働く障がい者の数は増え続けています。
ですが、就職後の定着率には課題があります。 障害の種類ごとの職場に定着する割合に違いを確認してみましょう。
各障害別の職場定着率(就職から1年後)を見てみましょう。
障がい者 | 定着率(%) |
発達障害 | 71.5 |
知的障害 | 68.0 |
身体障害 | 60.8 |
精神障害 | 49.3 |
就労定着支援について
障害のある方が長く働き続ける為の支援制度の一つに「就労定着支援」があります。この制度は、障害者総合支援法で定められた障がい福祉サービスの一つとして重要な制度となっています。
就労定着支援の目的は、障がいのある方の職場適応をサポートすることです。具体的には、以下のような支援が行われます。
- 労働環境への適応支援
- 業務内容の理解促進
- 長期的な就労継続の為のフォロー
就労定着支援では、専門の支援員がこの制度を担うことになります。障害のある方が就職した後にしばらくするさまざまな問題に対応します。例えば、以下のような場面で支援を致します。
- 仕事の悩みに関する相談対応
- 職場での人間関係のトラブル解決のサポート
- 会社と障がいのある方のすれ違い
・会社側では「当然、このぐらいは出来るだろう」と思って振った作業であったり、作業量であったとしても、障害のある方にしてみると「当然」ではないこともあります。
・就職したばかりだと会社側が想像する以上に緊張をして、思っている以上(実際にスペック以上)に仕事が出来ないこともあります。
・会社側としては「就職して半年ぐらい経過して、仕事にも職場にも慣れてくれている」と思っていたとしても、実際には障害のある方は緊張をし続けて、場合によっては緊張のあまり頭痛を悩んでいる場合もあります。
このように、会社側と障害のある方との認識のズレが必ずいっても良い程あり得る背景の下、就労定着支援員は障がいのある方と会社の間に立ち、双方のとの橋渡し役となってくれます。 必要に応じて双方に対して、アドバイスや提案を行い、働きやすい環境づくりをサポートしてくれます。
このような就労定着支援のサービスを利用することで、障がい者の方はより安して自信を持って働き続けることができる可能性が増し、また、会社側もより安心して障害のある方と関わることもできます。
就労定着支援と就労移行支援の違いについて
「移行就労支援」と「就労継続支援」の違いは何でしょうか。これらは障がい福祉サービスは、その目的や対象者が違います。
就労移行支援は、障害のある方の「就職」をサポートする制度です。一般企業での就職を目指す障がい者を対象としています。この支援では、就職に必要なスキルの習得や、企業とのマッチングなどが行われます。利用期間は原則として2年間となっています。
一方、就労定着支援は、まだ就職を実現した障害のある方を対象としています。この制度の目的は、職場に定着し長く働き続けられるようサポートしてくれます。
就労定着支援では、専門の支援員が重要な役割を果たします。就職後に不安や悩みに対して、きめ細かなサポートを提供します。例えば、職場での問題解決のアドバイスや、会社との連携による働きやすい環境づくりなどを行います。
また、就労定着支援員は必要に応じて職場訪問や面談を実施し、障がいのある方と会社の両方をサポートします。この支援の利用期間は1年ごとの更新制で、最長3年間までサポートを受けることができます。
就労定着支援の具体的な支援内容について
就労定着支援は、一般就労している障害のある方をサポートする制度です。この支援は、仕事に関連する日常生活や社会生活の課題解決にも及びます。
就職後によくみられる悩みや課題には、以下のようなものがあります。
- 仕事上のミスが多い
- 職場でのコミュニケーションが難しい
- 遅刻や欠勤が続いてしまう
- 給料を散財してしまう
このような問題が起きたとき、就労定着支援員は重要なサポートをしてくれるます。
具体的な支援の流れは以下のようになります。
- 本人との定期的な面談:悩みや疑問ごとを聞いてくれます
- 職場との連携:上司と協力的なコミュニケーションを取って、職場環境の調整を行ってくれます
- 問題解決策の提案:就労移行支援施設を利用していた状況を踏まえて、職場で起きた課題に対して具体的な改善方法を一緒に考え、実践をサポートしてくれます
- 生活面のアドバイス:仕事と日常生活のバランスを考えてサポートをしてくれます
これらの悩みや課題を放置すると、職場で把握した悩みを認識できず、本人も苦しい状況に陥る可能性があります。最悪の場合、離職につながることもあります。
就労定着支援のメリットについて
就労定着支援は、就職した障害者ある方と会社の双方にメリットがあります。ここでは、それぞれの立場からメリットを詳しく見てみていきたいと思います。
就職者のメリット
新しい職場環境での不安や悩みを軽減できることが、就職者にとって最大のメリットです。 具体的には、以下のようなメリットがあります。
- 就業面だけでなく、日常生活についてや体調面についても相談ができる
- 就職者からは直接会社に言いづらいことも相談できる
- 就労定着支援員が仲介をして、会社側に「職場での配慮」について相談することができる
会社側のメリット
障害は個人ごとに多様な形態や特徴を持つため、企業の人事担当者が適切な受け入れ方法に戸惑うことも想定されます。そこで、就労定着支援サービスを活用することで、専門の支援員が障害を抱える従業員にとって働きやすい環境整備を後押しします。そのため、不明点があっても心配する必要はありません。
- 関係機関との円滑な連携: 就労定着支援員が仲介役となり、医療機関などの関連組織との障害者雇用にとって効果的な情報交換や協力体制の構築が可能になります。
- 職場定着率の向上: 就労定着支援員が対象者の日常生活や健康状態に関するケアを提供することで、長期的な就労継続が促進されます。
- 障害者雇用のノウハウ蓄積: 就労定着支援員のガイダンスを受けながら、企業は障害者雇用に関する知識や経験を段階的に積み上げることができます。
これらのメリットにより、会社は安心して障害のある方の雇用を進められます。また、職場全体の多様性も認識し、より良い職場環境の構築につながります。
就労定着支援は、障害のある方と雇用する会社の双方にとって、大きな価値を生み出す制度です。この支援を活用することで、お互いの理解が深まり、長期的で安定した雇用関係を築くことができるでしょう。
就労定着支援の重要性と内容
就労定着支援の対象者について
就労定着支援は、障害のある方の職場の定着を助ける重要な制度です。この支援を受けられる対象者は、就労移行支援、就労継続支援、自立訓練、生活介護などの障がい福祉サービスを利用して一般就労した障がい者の方が対象となります。
就労定着支援の利用期間について
就労定着支援の利用期間は、最長利用期間は3年間です。この期間は、その後の就職状況に応じて柔軟に設定されています。具体的には、就職後7ヶ月目から就職後3年6ヶ月月目までとなります。
就労定着支援の利用料金について
就労定着支援の利用料金は、利用者の前年度の受け取り結果に応じて変動します。
まとめ
就労定着支援は、障害のある方の職場適応を専門的にサポートする心強い味方です。就職後の不安や悩みに寄り添い、長期的な就労継続を支援します。
この制度を活用することで、障害のある方の可能性が広がり、充実した職業生活を送る道が開かれます。一人ひとりの能力を最大限に発揮できる環境づくりに、就労定着支援は大きな役割を果たしてくれる制度ですので、ご利用をご検討してみてはいかがでしょうか。